カテゴリ:剱岳・立山連峰縦走( 1 )

難所を乗り越えて、雄峰・剱岳を行くヽ(^o^)丿

旅行・地域
b0190242_013186.jpg


 8月30日(木)~9月2日(日)に日本百名山の屈指の難峰・剱岳から立山連峰を縦走して来ました。いい歳、りょうちゃんの今年の最大の目標であった剱岳登頂を通過点とすることができたのは、ガイドを引き受けてくれたトミー富澤さんのサポートのおかげであり、トミーさんを紹介してくれた歩みの会の西村さんのおかげです。今年の1月に小豆島で歩みの会の皆さんとの出会いがなければ、今回の剱岳の登攀はできていなかったでしょう。歩みの会の皆さんと、トミーさんに心から感謝申し上げます。040.gif
b0190242_01411100.jpg

 今回は室堂から剱沢小屋へ行き、剱岳の登攀と、別山尾根から立山連峰を縦走する予定です。私は29日(水)に長野で前泊して、翌日の8月30日(木)に川中島特急バスで扇沢まで行きました。

 長野新幹線。
b0190242_0163533.jpg

 長野駅東口から特急バスに乗ります。
b0190242_0171474.jpg

 約1時間45分バスに乗り、扇沢へ。ここでトミーさんと合流しました。
b0190242_0175741.jpg

 立山黒部アルペンルートで室堂へと向かいます。以前に行った時は土日であったので大混雑していたのを覚えています。今日はウィークデーの木曜日であったため、とても空いていました。写真は黒部ダムの観光放水で、1秒間あたり10~15 tonの水が放流されます。
b0190242_0185637.jpg

 黒部平。正面に見えるのは針の木岳。
b0190242_0215933.jpg

 鹿島槍ヶ岳。
b0190242_0235766.jpg

 12時40分に室堂に着きました。当初の予定では初日に室堂から剱沢小屋まで向かう予定でしたが、天候が不安定であるため、ミクリガ池山荘に泊まることになりました。
b0190242_12186.jpg

 ここミクリガ池山荘には温泉があり、温泉につかって、カフェでビールを飲みました。これから厳しい山登りをするのに、こんなにくつろいでいいのでしょうか。068.gif
b0190242_125373.jpg

b0190242_135278.jpg

 天気予報通り、夕方から雨足が強くなり、雷鳴が轟いていました。
b0190242_131783.jpg

 ミクリガ池山荘の夕飯。刺身に生ハムにエビチリがあり、山荘でこんな贅沢な夕飯ははじめてでした。料金は1泊2食付きで9000円ですから、他の山荘の料金とほとんど同じです。トイレもたくさんあり、しかもウォシュレットを完備しており、今まで泊った山荘の中で一番であることは間違いありません。トミーさんは、ここは山荘ではなくホテルと同じだとおっしゃっていました。038.gif
b0190242_144265.jpg

b0190242_145690.jpg

 贅沢な山荘でゆっくりし、翌日は雷鳥沢キャンプ場を通り、別山乗越から剱沢小屋へと移動します。朝食を午前6時に食べて、午前7時30分に山荘を出発しました。2日目ものんびりした1日でした。
b0190242_165515.jpg

 雷鳥沢キャンプ場。
b0190242_17168.jpg

 別山乗越へは大日岳への稜線から向かいました。雷鳥沢から別山乗越の間にはチングルマの大群落がありました。056.gif
b0190242_173160.jpg

 チングルマの花。
b0190242_174515.jpg

 イワイチョウ。
b0190242_18037.jpg

 剱御前小屋までやってきました。剱沢小屋はもう少しです。アミューズチームの1泊目はこの剱御前小屋だったそうです。
b0190242_182166.jpg

 剱御前から剱沢までは40分ほどでした。その間にウサギギクがたくさん咲いていました。中には色あせて黄色が抜けてしまっているウサギギクもあり、大井町湯屋には色あせたウサギギクのようなバアさんがたくさんいます。037.gif
b0190242_184017.jpg

 剱沢小屋前で記念撮影。
b0190242_19221.jpg

 雲が多いものの、目の前には明日挑戦する剱岳がそびえています。
b0190242_11076.jpg

 一服剱に人がいるのが見えました。
b0190242_1105343.jpg

 剱沢小屋でお昼にカレーライスを食べました。1杯1000円です。トミーさんはラーメンを食べました。
b0190242_1111068.jpg

 そして近く岩場へ行き、ロープワークの練習をしました。実際にはカニの縦ばいと平蔵のコルで安全環にロープをつないで、実践しました。
b0190242_1112569.jpg

b0190242_1114055.jpg

 あとは夕飯まで小屋の前で缶ビールと日本酒を飲んで過ごしました。昨日のミクリガ池山荘から飲んですっかりくつろいでしまっています。こんなことで本当に登れるのでしょうか。近くの雪渓で練習している人がいました。
b0190242_112260.jpg

 剱沢小屋の夕飯はコーンポタージュスープと豚肉をソテーしたものでした。とてもおいしく、ミクリガ池山荘の夕飯に決して負けていませんでした。いよいよ明日は剱岳登頂です。
b0190242_1484833.jpg

b0190242_1131963.jpg



b0190242_1144593.jpg

 
   待てど暮らせど来ぬ人を
   宵待草のやるせなさ
   こよひは月も出ぬさうな
          (竹久夢二『宵待草』)

 「竹久夢二は、1884年(明治17年)、岡山県に生まれ、四十九年の生涯を、夢と憧れを失うことなく生きた不世出の詩画人であった。
 女の哀しさと美しさ、ひっそりと息づく、つつましやかな情熱―――――いつの世にもかわらない女の命を、繊細で可憐な絵に託して描いた世界は、夢二の独壇場といえよう。
 そこに張るみずみずしい感受性と清冽なロマンは、青春のはかなさ、やるせなさを表現しつくしてあますところがない。」
 生誕百年を記念して出された復刻『夢二慕情』(ノーベル書房)のPR文句の一節です。

 たしかに“夢二型美人”は大正期一世を風靡しました。目が大きくてほっそりした柳腰の美人、いつも愁いをふくみ、そして清純さと退廃的エロチシズムをただよわせる“夢二好みの美人”は、現代でもその魅力は失われてはおりません。

 夢二の復刻版が出され、各地で夢二展が開かれるなど、今なお人気は続いています。
 モデルも女性たちは、ほとんど彼の女性遍歴によって親しくなった女性たちでした。

 昭和9年(1934年)9月1日、信州富士見公園療養所で、肺結核のため、49歳で亡くなりました。東京雑司ヶ谷霊園にある墓には、有島生馬筆の「竹久夢二を埋む」の碑文が刻まれています。

 夢二は、詩と絵のほかに、短歌、散文、童話、小説なども、いい作品を残しています。

(小学館「一日一話人物歳時記」より)

b0190242_1152394.jpg


 登頂前日、控えめながらも、缶ビールと日本酒をいつも以上に飲んでしまっていたため、早く寝ることができました。もちろん、その分は早く目が覚めてしまい、時計を見ると午前3時前でした。小屋の外に出てみると満月が煌煌と輝いていました。今月8月はめずらしく月2回満月がめぐってくる大変に縁起のいい月です。この月をブルームーンといい、願いごとが叶うといわれています。果たして、いい歳、りょうちゃんの剱登頂の願いは叶うのでしょうか。072.gif

 今日は午前5時に剱沢小屋で朝ご飯を食べてから、出発します。トミーさんと食堂の前で朝食ができるのを待っていると、倉持さん率いるアミューズチームの精鋭の皆さんが剱沢小屋にやってきました。皆さんは午前4時にお弁当を持って、剱御前小屋を出発したそうです。私も朝食を済ませて、外へ出ると、とっくに出発していると思ったアミューズチームはまだ小屋の前にいました。アミューズチームの記念撮影に一緒に入れてもらい、いい歳、りょうちゃんはアミューズチームよりも少し早い午前5時20分に剱沢小屋を出発しました。
b0190242_1203536.jpg

 トミーさんの天気の読みがズバリ的中し、朝日に照らされての出発になりました。058.gif
b0190242_1175162.jpg

 剱岳は、一服剱、前剱(ぜんけん)、平蔵のコルと頭、カニの縦ばいを通過して頂上へと進んでいきます。まずは一服剱へと歩を進めます。朝の柔らかな日差しの中、最初の鎖場に到着。
b0190242_1181283.jpg

 前剱から見た一服剱、標高2618 mです。
b0190242_1183765.jpg

 一服剱では登山道の両側にたくさん花が咲く中を歩いていきます。紫色の花はトリカブトです。
b0190242_119313.jpg

 次の前剱への登りでは風景は一変します。岩の鎧をまとった岩峰になります。浮き石も多く、カニの縦ばいや横ばいよりも、この前剱での事故が最も多く、事故の8割は前剱で起こっているそうです。
b0190242_1193422.jpg

 前剱の大岩の間を抜けていきます。
b0190242_119454.jpg

b0190242_241835.jpg

 午前7時05分に前剱頂上に到着。標高2813 mです。
b0190242_120372.jpg

 振り返ると最終日に登る予定の立山連峰が剱御前越しに見えました。
b0190242_1202030.jpg

 一服剱から前剱の頂上までは剱岳本峰は見えませんが、前剱の頂上まで来ると剱岳本峰が眼前に迫ってきます。
b0190242_1212993.jpg

 前剱を越えたところからが剱岳の核心部へと入って行きます。まずは平蔵のコルと頭です。長さ5 mくらいのステンレス製の板がすっぱり切れ落ちているところ渡されていました。下を見ると奈落の底です。落ちたら死んでしまうでしょう。トミーさんから怖かったら、しゃがんで這って渡るようにとの指示がありました。いい歳、りょうちゃんはしゃがまずに行きました。しゃがむとバランスを崩して落ちるのではないかと思ったからです。いままで自分は高所恐怖症ではないと思っていましたが、下を見ると結構、怖くて、ヒヤヒヤしながら平蔵のコルに抱きつくようにたかだか数mの板を渡りました。
b0190242_122176.jpg
 
 安全環の掛け替えを行いながら、何とか平蔵のコルと頭を越えて行きました。そして午前8時15分、剱岳最大の核心部、カニの縦ばいに到着。私たちが辿り着いた時は、誰も登っておらず、ノータイムで待つことなく、登ることになりました。昨日練習した通りにロープを私のハーネスにつながれた安全環に通し、トミーさんが先に登ります。トミーさんが上でロープの確保行い、合図とともにいい歳、りょうちゃんがビレーをはずして登って行きます。カニの縦ばいは至る所に大きな杭が打ち込まれており、足場も多く、平蔵のコルに比べると登りやすく感じました。しかし、息が切れました。042.gif
b0190242_1222270.jpg

b0190242_124817.jpg

 カニに縦ばいを登る、いい歳、りょうちゃん(写真はトミーさんのブログからもらいました)。
b0190242_234845.jpg

 カニの縦ばいの上から見た平蔵の頭。ゴジラの背中のようです。
b0190242_123919.jpg

 カニの縦ばいから見たカニの横ばい。登山者が下りているところです。
b0190242_124399.jpg

 カニの縦ばいから下を見ると登山者が登ってきているところでした。この白いヘルメットをかぶったおじさんとは最初から最後までほとんど一緒でした。
b0190242_1245618.jpg

 カニの縦ばいを通過すれば、もうほとんど危険なところはありません。ひたすらに頂上を目指します。途中、早月尾根との分岐があり、標高差2240 mの直登コースを登ってくる登山者の姿が見えました。
b0190242_1252441.jpg

 赤い屋根は早月小屋です。来年、この早月尾根のコースから剱岳を目指すことをトミーさんと約束しました。
b0190242_1253753.jpg

 午前9時すぎ、剱沢小屋を出発して3時間40分でついに剱岳の頂上に立つことができました。トミーさんと祠の前で記念撮影。いい歳、りょうちゃん、日本百名山43座目です。弘法大師が草鞋6000足を費やしても登ることができなかった剱岳の頂上にいい歳、りょうちゃんは立つことができました。038.gif
b0190242_1255438.jpg

 北方尾根から八ツ峰。
b0190242_126526.jpg

 源治郎尾根。9月2日(日)に自宅に戻り、テレビを見るとイモトアヤコがこの源治郎尾根を懸垂下降で下り、剱岳を登頂してところが放映されていました。
b0190242_1261886.jpg

 頂上での景色を思う存分に楽しんで、午前9時30分に下山を開始しました。カニの横ばいの前で、アミューズチームとすれ違いました。「りょうちゃん!」と声をかけてもらい、精鋭チームと握手を交わしながら下山しました。
b0190242_1264845.jpg

 カニの横ばいに着いたのは午前9時49分でした。
b0190242_127087.jpg

 カニの横ばいといっても、ほとんどは縦に下り、途中のわずかな距離だけ横に進みます。あの有名な見えない足場もありました。いい歳、りょうちゃんもなかなか足を掛けることができず、トミーさんの指示で何とか手間取りながらクリアしました。やはり一人で剱岳を登頂するにはまだまだ研鑽が必要です。

 そのあと長い垂直の梯子がありました。(写真はトミーさんのブログからもらいました)。
b0190242_1275491.jpg
 
 下りはまだ続きます。(写真はトミーさんのブログからもらいました)。
b0190242_1282872.jpg

 そして、あの平蔵の頭、コルから前剱へと向かいます。あのすっぱりときれ落ちているところに立てかけてあるステンレスの板をまた渡らなければならないのかと思いましたが、下りは別ルートの巻き道を通り、ステンレスの板を通らずに済みました。
b0190242_1285754.jpg

 前剱の下りも気を抜けません。落石に注意しながら下ります。しかし、りょうちゃんは浮き石を何回か転がしてしまいました。ガレ場の浮き石は乗らないに越したことはありませんが、その上を歩かなければならないときは小股で浮き石を上から押さえつけるように乗ればいいとトミーさんに教わりました。
b0190242_1295113.jpg

 あとはもう一服剱を越えるだけです。一服剱の登り返しのところにはトリカブトがたくさん咲いていました。そして、木イチゴもたくさん実をつけていました。その木イチゴを食べながら、一服剱までの最後の登りを上がりました。
b0190242_1304135.jpg

b0190242_13176.jpg

 一服剱の上で休憩していると若者が3名、奇声を発しながら登ってきました。彼らは前に見える前剱が本峰であると勘違いしているようであり、私たちに本峰までどのくらいかかるかと聞いてくると、白いヘルメットおじさんが「あと1時間ぐらいかな。」ととてもいい加減なことを言っていました。トミーさんは若者たちに「こんな遅い時間に登り始めることが間違っている。」と注意を促しましたが、行ける所まで行ってみると言って、行ってしまいました。037.gif
b0190242_1314085.jpg

 一服剱から最後の下りを通り、剱山荘の前を通過して、剱沢小屋へ戻ってきました。12時50分、出発してから7時間30分が経過していました。
b0190242_1323280.jpg

 小屋でトミーさんとうどんを食べて、シャワーを浴びました、この剱沢小屋にはシャワーが備え付けられています。
b0190242_1325656.jpg

 シャワーを浴びて、髪を拭いていると、アミューズチームが戻ってきました。アミューズチームと談話室でビール、日本酒で剱岳登頂を祝って、乾杯しました。アミューズチームの若いあややが頂上で泣いてしまったという話を聞いて、翌日の帰り道、トミーさんは「頂上で泣いちゃうなんて、可愛いね!」と何度も言っていました。夕飯後は再び談話室でミウラッチの45歳のお誕生祝いがありました。もう45歳になるとは、りょうちゃんとほとんど変わらないのですね。この日の剱沢の夕飯はとんかつとビーフシチューでした。
b0190242_1333051.jpg

b0190242_134235.jpg




b0190242_1351179.jpg
 
 翌日、9月2日はアミューズチームと別れて、別山尾根から真砂岳、富士の折立、立山連峰の最高峰・大汝山、そして3大霊山の雄山を縦走しました。富士の折立から常にガスで白く霞んでおり、立山連峰からの展望を望むことができませんでした。
b0190242_1354787.jpg

 別山、標高2880 m。
b0190242_136359.jpg

b0190242_1362065.jpg

 別山尾根越しに見た剱岳山頂、これで今回の山登りでは見おさめになりました。
b0190242_1363922.jpg

 真砂岳、標高2861 m。
b0190242_1365617.jpg

 真砂岳からの稜線。
b0190242_137104.jpg

 富士の折立への登り。
b0190242_138594.jpg

 大汝山、標高3015 m。
b0190242_1382673.jpg

b0190242_1383932.jpg

 雄山、標高3003 m。
b0190242_1385550.jpg

b0190242_139972.jpg

 大汝山と雄山の間の登山道で雷鳥のつがいが砂浴びをしていました。近づいても全く逃げようとしませんでした。
b0190242_1392411.jpg

b0190242_1393877.jpg

 雄山から一の越しへの下りは登山客と観光客でとても混んでいました。私たちは室堂に着いたのは11時55分でした。12時20分発のトロリーバスに乗って、扇沢まで下りてきました。黒部平、黒部ダムは雨が降っていましたが扇沢では日が差していました。
b0190242_140980.jpg

 大町温泉郷の薬師の湯に立ち寄ると、私たちよりも約3時間も早く室堂に着いているはずのアミューズチームがまだ温泉にいました。宴会をしていたそうです。私も温泉につかりましたが、この温泉の露天風呂にミツバチがたくさん飛んでおり、平蔵のコルよりもミツバチのほうが怖かったです。4日間お世話になったトミーさんともこの薬師の湯でお別れです。次回、3連休で氷河公園から槍ケ岳で再会することを約束しました。大町温泉郷から特急バスに乗り、長野駅から新幹線で東京に帰ってきました。
b0190242_1402355.jpg

b0190242_1404097.jpg



 
来週は飯豊本山へ行ってきます。060.gif

b0190242_150633.jpg

b0190242_1504057.jpg

b0190242_1511157.jpg

b0190242_1515151.jpg

b0190242_1521754.jpg

b0190242_1525131.jpg

b0190242_1531921.jpg

b0190242_1534968.jpg

b0190242_1544224.jpg

b0190242_1545733.jpg

b0190242_1551127.jpg

b0190242_1553155.jpg

by ryott-ryott | 2012-09-06 02:08 | 剱岳・立山連峰縦走