カテゴリ:塩見岳( 1 )

秋を告げる色なき風に吹かれ、岩稜の塩見岳を行く

旅行・地域
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 9月21日(金)~23日(日)、アミューズトラベルで南アルプスの塩見岳に行ってきました。今回のツアーでは二人の方が日本百名山100座を達成されて、ガイドの泉田さんからTシャツを進呈されていました。038.gif

 そのうちのおひとりは男性でバスでは私のお隣に座っている方でした。見た目は私よりも年下かと思いましたが、1歳年上の49歳の、田中さんとおっしゃる方です。田中さんはサラリーマンをしながら年間130座以上の山に登られるそうです。山も日本の山だけではなく、海外遠征や、山以外は沢登りもされるということです。そんな山登りのプロみたいな方が、年寄りばかりのアミューズに参加したのは、1年に1回だけはアミューズに参加することにしており、偶然にも塩見岳だけが行く機会がなく残ってしまっていたそうです。

 その田中さんは日本三百名山も残すところあと2座だとおっしゃっていました。百名山にしろ、三百名山にしろ、数を追い出せば、あっという間に終わるとのことです。二百名山も三百名山も、百名山のそばにあることが多いので、百名山と合わせて行くことが効率よく登るコツだとおっしゃっていました。百名山が終わってから、二百、三百を目指すということになると、同じ場所に何度も行かなければならず、効率がとても悪いということです。

 田中さんの山の話は面白く、昨年行った利尻のレラモシリの渡辺オーナーのお友達でありもあり、利尻やレラモシリのことをいろいろと話してくれました。今回の塩見岳では、三伏峠小屋に2泊しましたが、田中さんは普段は山小屋を利用せず、テント泊がほとんどだそうです。塩見岳の場合は三伏峠小屋と塩見小屋がありますが、塩見小屋の評判が悪く、アミューズでも三伏峠小屋の利用になっていました。評判の悪い小屋、態度の悪い小屋は利用しないことが一番であり、もし自分が泊ろうとしている小屋がひどい小屋であることがわかったら、頑張って次の小屋まで行くべきであると田中さんはおっしゃっていました。

 田中さんが今までひどいと思った山小屋はたくさんあるそうですが、富士見小屋の前で山小屋の写真を撮っていたら、山小屋のおやじから「写真なんか撮るな!」と怒鳴られたそうです。トミーさんもおっしゃっていましたが、富士見小屋では昔、白人の若い女性が山小屋の主人に強姦された揚句に殺害されてしまったという事件があったそうです。現在、富士見小屋が存在するのかどうか、私は知りませんが、そういう事件があった小屋のほとんどはなくなってしまうそうです。

 その田中さんは「山頂のてっぺんで!」というホームページとブログをやっています。みなさん、遊びに行ってあげてください。また田中さんは「いい歳、りょうちゃん」のこのブログを見て、「可愛い女の子がたくさん写っている。」とのメールをいただきました。一体、誰のことを言っているのでしょうか。038.gif037.gif
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 今回の塩見岳の参加者は21名で、ガイドはあの泉田さん、清水さん、添乗員は辻さんでした。この参加者21名の中には私も含めて先々週の「ゆったり飯豊本山」ツアーに参加した8名がいました。添乗員の辻さんは、泉田さんの歩くペースが速すぎるのではないかと大変に心配されており、泉田さんになるべくゆっくり歩いてほしいと進言したそうです。私はそんなことを言う必要はまったくないと思いました。置き去りにされても仕方ない人は、その場でリタイヤさせればいいのです。少なくとも私が参加を断られた「編笠岳~赤岳」ツアーでは置き去りにされる人は参加させなかったはずです。しかしながら、本来参加を許されない人に手心を示そうとする態度は、やはりアミューズトラベルの参加基準がいい加減であるということです。飯豊本山のブログ記事でも書きましたが、実際には「置き去りにされても仕方ない人」も参加を許されていることを知り、アミューズトラベルの参加基準がイカサマ、インチキ、いい加減であるという考えは今後変わることはないでしょう。アミューズトラベルの参加基準は、私などが預かり知らないところにあるということを、感じています。

 さて本題に入ります。塩見岳へのアプローチとして、鳥倉林道の終点の登山口から三伏峠小屋へ向かい、そこで1泊し、翌日、三伏峠小屋からピストンで塩見岳に登頂しました。2日目も三伏峠小屋に泊まり、3日目に登山口まで下山しました。
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 9月21日(金)12時00分、鳥倉林道の入り口の到着。準備体操をして登山口へと向かいました。
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 歩き始めてから、約60分、13時00分に登山口に到着。ここから三伏峠を目指します。三伏峠は標高2590 mで日本一高い峠になります。
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 樹林帯の中を歩いていきます。
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 木の枝、棒でつくられた階段がいくつもありました。
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 三伏峠小屋が近くなると、目指す塩見岳を見ることができました。
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 16時過ぎ、歩き始めてから約3時間で三伏峠小屋に着きました。
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 三伏峠小屋は、缶ビール、日本酒のワンカップも売られており、飯豊本山での禁酒生活の憂さを晴らしました。037.gif
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(第88回安曇野歌声喫茶/ねがい)

ねがい(作詞:広島市立大州中学校3年生有志、作曲:たかだりゅうじ)

もしもこの頭上に 落とされたものが
ミサイルでなく
本やノートであったなら
無知や偏見から 解き放たれて
君は戦うことを やめるだろう

もしもこの地上に 響き合うものが
爆音ではなく 歌の調べであったなら
恐怖や憎しみに とらわれないで
人は自由の歌を 歌うだろう

もしもこの足元に 植えられたものが
地雷ではなく 小麦の種であったなら
飢えや争いに 苦しまないで
共に分かち合って 暮らすだろう

もしもひとつだけ 願いが叶うならば
戦争捨てて 世界に愛と平和を
この願いかなうまで 私たちは
歩み続けることを やめないだろう

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 昭和22年(1947年)の刑法改正まで、「大逆罪」が生きていました。
 天皇、皇后、皇太子などに危害を加え、また加えようとしたものは、すべて死刑に処せられました。

 明治44年(1911年)1月、その大逆陰謀の首謀者として絞首刑になったのが、明治の社会主義者・幸徳秋水です。

 彼は本名伝次郎、明治4年(1871年)9月22日、高知県中村市に生れました。上京して「万朝報」「平民新聞」の記者をしながら、マルクスの『共産党宣言』うぃ記載したり、日露戦争反対の論陣を張ったりしていましたが、渡米後はアナーキズム(無政府主義)に偏向し、言動が過激になってきました。

 彼の天皇暗殺計画なるものも、今でいう“デッチアゲ”で、現在の裁判なら無実だったでしょう。東京監獄跡地にある記念碑、出身地中村市の墓前では、今でもよく追悼の記念集会や、彼を偲ぶ墓前祭が催されています。

 彼についてこんなエピソードがあります。明治43年(1910年)のある日、秋水は自宅で翻訳の仕事をしていました。隣の部屋で近所の子どもたちがコックリさんをして遊んでいました。お盆を回して、その回った回数で結婚が何年先か、などを占う遊びです。秋水は楽しそうな笑い声に顔を出し、「ひとつ社会主義の時代がいつくるか、やってみてくれ」と頼みました。盆はいきおいよく35回もまわりました。秋水は「あと35年先か、おれが75歳のときだ」とニッコリほほえんだといいます。

 それから35年後は、偶然にも昭和20年終戦の年です。社会主義の国にはなりませんでしたが、社会主義運動が弾圧されない時代になりました。コックリさんのお告げも当たらずとも遠からずです。

(小学館「一日一話人物歳時記」より)


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 翌朝、午前5時40分に三伏峠小屋を出発。まだ薄暗くヘッドランプをつけての出発です。三伏峠があれば、三伏山もあります。標高2615 m。下山時に撮影。
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 三伏山から見た三伏峠小屋。下山時に撮影。
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 本谷山(標高2658 m)の手前、目指す塩見岳の向こうから太陽が登ってきました。058.gif
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 空は雲が高く、秋の空です。
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 本谷山から周辺を見渡すと南アルプス、中央アルプスが見えました。来週行く予定の仙丈ヶ岳と甲斐駒ケ岳。
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 仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳、北岳、間ノ岳、西農鳥岳、農鳥岳が見えました。
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 中央アルプス。
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 本谷山からアップダウンを経て、塩見小屋に到着。午前8時30分。ツアーに参加する前から塩見小屋の評判はよくありませんでした。塩見小屋にはトイレがなく、簡易トイレを利用する際には管理人のレクチャーを受けなければなりません。小屋の中を見ても、お世辞にもきれいとは言えません。管理人は口うるさく、客を客だと思っていないような言動を浴びせられると言います。アミューズトラベルでも塩見小屋は利用しないということを決定したと聞きました。また三伏峠小屋を出発する際に、塩見小屋の前で「三伏峠小屋の食事はよかった。」とか「三伏峠小屋は快適だった。」のようなことを絶対に言わないようにとの注意を受けました。以前に、アミューズトラベルの参加者が、塩見小屋の前で三伏峠小屋との比較をする発言をして、塩見小屋の管理人とトラブルになったことがあるそうです。
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 黒豆の木。
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 ヨツバシオガマのなれの果て。
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 塩見小屋の前から見た仙丈ヶ岳。
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 ここからいよいよ塩見岳の核心部に入って行きます。手前に天狗岩、向こうに塩見岳の西峰が見えます。
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 天狗岩を巻くように越えて行きます。
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 本峰につづく稜線。いよいよ塩見岳本峰の岩稜帯を登って行きます。私は隊列の後ろのほうにいましたが、前のほうから泉田さんの喝が飛んでいるのが聞こえてきました。もっと怒鳴ってやってください。037.gif
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 午前10時00分、塩見岳の西峰(標高3047 m)に到着。
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 塩見岳の東峰(標高3052 m)は目と鼻の先です。西峰から見た東峰。
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 東峰から見た西峰。
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 東峰で、たまにツアーでお会いするお姉さんと記念撮影。お姉さんも今年、剱岳に登攀されたそうです。
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 西峰で記念撮影。
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(掘六平/わさびの花の咲く頃)

(あづみ野うたごえ喫茶/わさびの花の咲く頃)

わさびの花の咲く頃(作詞、作曲:掘六平)

わさびの花は 白い十字架
初夏の風に 笑ってなびく
まだ雪のこる アルプスの
すそ野は田植えの 今盛りなり
こんなところさ 俺たちの村

腰の痛さに ふっと顔上げりゃ
いやにぼんやり 有明山よ
雪に浮き出す 蝶ヶ岳
小腹すいたぞ もうお茶の頃
こんなところさ 俺たちの村

初夏の長日も やがては暮れる
あちらこちらは 夕餉の明かり
泥にまみれて 汚れちゃ居るが
うちに帰れば おしきせもある
こんなところさ 俺たちの村



(中島みゆき/荒野より)

荒野より(作詞:中島みゆき、作曲:中島みゆき、歌:中島みゆき)

夜が
望みは何かと訊かれたら君がこの星に居てくれることだ
力は何かと訊かれたら君を想えば立ち直れることだ

僕は走っているだろう君と走っているだろう
あいだにどんな距離があっても
僕は笑っているだろう君と笑っているだろう
あいだにどんな時が流れても

荒野より君に告ぐ僕の為に立ち停まるな
荒野より君を呼ぶ後悔など何もない

朝陽の昇らぬ日は来ても君の声を疑う日はないだろう
誓いは嵐にちぎれても君の声を忘れる日はないだろう

僕は歌っているだろう君と歌っているだろう
あいだにどんな距離があっても
僕は生きているだろう君と生きているだろう
あいだにどんな時が流れても

荒野より君に告ぐ僕の為に立ち停まるな
荒野より君を呼ぶ後悔など何もない

僕は走っているだろう君と走っているだろう
あいだにどんな距離があっても
僕は笑っているだろう君と笑っているだろう
あいだにどんな時が流れても

荒野より君に告ぐ僕の為に立ち停まるな
荒野より君を呼ぶ後悔など何もない
荒野より君に告ぐ僕の為に立ち停まるな
荒野より君を呼ぶ後悔など何もない


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 冒頭に紹介したように東峰で百名山を達成した方の表彰式がありました。塩見岳東峰から仙丈ヶ岳をつないでいる仙塩尾根を歩いて行くパーティーがいました。
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 西峰から見た東峰、たばこを吸っているのが田中さんです。
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 静岡百名山の蝙蝠岳。
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 下山を開始、ピストンなので元来た道を戻って行きます。泉田さんから岩場の「下山は危険なので、集中してもらいたい。」ということと、「安全な場所に出るまでは写真は撮らないようにしてください。」との注意がありました。下山時に撮った天狗岩。
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 下山時も泉田さんの喝が飛んでいました。「オッラッー!! 反動をつけちゃいけないんだよ!そんなことをしたら、あんた死ぬよ!あんた、名前は!」と年配者に厳しい言葉が飛んでいました。037.gif
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 天狗岩の前まで戻ってくると、泉田さんの喝も飛ばなくなっていました。
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 写真は北俣尾根で、現在は廃道になっているそうです。田中さんが教えてくれました。
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 塩見小屋方面に続く稜線。私の前を歩いているお父さんは2月の倉持さん添乗のバリ島に夫婦で参加されるそうです。私にも一緒に行かないかと誘っていただきました。5泊6日で料金は15万円くらいだそうです。幌尻岳に行くぐらいの料金で、おいしい料理に、カヌーによる川下りなど、面白そうだから行ってみることにしたそうです。私も行ってみたいですが、2月に6日間の休暇をとるのはかなり厳しいので、お休みが取れないと思うと答えておきました。時間がたくさんある浦安湯屋の方々、参加されたらいかがでしょうか。038.gif
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 コケモモの実。甘酸っぱいといよりも酸っぱいです。しかし、山になっている実の中ではおいしいほうだと思います。
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 塩見小屋前から見た天狗岩と塩見岳西峰。逆光の朝よりきれいに撮れました。
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 西峰の上に人がいるのが見えました。
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 下山時、本谷山から見た塩見岳。本谷山で泉田さんから「少し痩せたか!」と尋ねられ、笠ヶ岳のときより更に3 kg減ったと答えました。「調子、いいだろう。」と声をかけていただきました。
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 三伏峠小屋までも戻ってくると、小屋の裏にテントがたくさん張られていました。小屋の前で田中さん、バリ島に行くお父さんと缶ビールとワンカップで乾杯しました。
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 翌朝は冷たい雨が降っていました。全員無事に鳥倉登山口まで戻ってきました。
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 温泉宿で入浴を済ませて、昼飯をいただきました。清水さんが私に「これだけじゃ、足りないんじゃないの?」と聞くと、泉田さんが「だめだ!あと2 kg痩せなきゃだめだ!」と私の代わりに答えていました。笠ヶ岳のときは10 kgの減量を要求されていたので、約1ヵ月で2 kg減量に昇進することができました。泉田さんはバスの中のあいさつで、ただゆっくり歩けるだけではだめで、緊急時には早く歩けるように体力をつけておかなければならないということと、年齢を重ねると眠れなくなって山で思わぬ症状が出ることがあるとおっしゃっており、田中さんは「ひげのおじさんはいいこと言う。」と感心していました。038.gif037.gif
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 9月28日(金)~29日(土)は山旅クラブで南アルプスの甲斐駒ケ岳に行ってきました。その模様はまた後日報告します。来週の10月3連休は、アミューズ特配で東北3座、八幡平、岩手山、早池峰山に行ってきます。この東北3座で百名山折り返しの50座に到達予定です。



新橋二丁目七番地
作詞:田久保真見、作曲:杉本眞人、歌:あさみちゆき


うすい座布団 一枚で
地べたに座って 四十年
時が流れて 人が流れる
濁流うねる この都会(まち)で
流されまいと 流されまいと
小石のように うずくまる
靴を磨けば こころも晴れる
今日も元気に がんばって
雨の日も 風の日も
新橋二丁目 七番地

こんな私に 出来たのは
一生懸命 生きること
秋の夕暮れ ひとつため息
赤チン色の 赤ちょうちん
一杯飲めば 一杯飲めば
人間なんて 立ち直る
靴の汚れは 心の汚れ
夢も磨けば また光る
雨の日も 風の日も
新橋二丁目 七番地

明日はきっと 明日はきっと
いいことあるさ 大丈夫
つらい気持は 靴みりゃわかる
今日もあなたは がんばった
雨の日も 風の日も
新橋二丁目 七番地


 
次回は甲斐駒ケ岳の報告をします。060.gif

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by ryott-ryott | 2012-09-30 20:31 | 塩見岳